クラゲに刺されたら

ハナウマベイをはじめ、ハワイにもクラゲはいます。
ハナウマベイには常にいる訳ではなく滅多に刺される事はありませんが、いざ刺された時に慌てたりしないように少しだけ勉強しましょう。

【どうして人を刺すの?】
クラゲは刺胞という毒針を発射する器官を持っています。傘の部分から垂れ下がった糸のような物(触手)にこの刺胞が無数についています。クラゲはこの毒のある触手でエサになるエビや魚を絡め捕ります。
クラゲが人間を刺すのはたまたまこの糸に触れてしまったからで、人を狙っている訳ではありません。
触手に触れると刺胞からビックリ箱のように秒速2mの勢いで毒針が飛び出します。尚、毒の強さはクラゲの種類によって異なり、刺胞や毒を持たないクラゲもいます。

【刺されたら死ぬ?】
大丈夫。死にゃしません。オーストラリアやアメリカ本土、沖縄ではクラゲによる死亡例もありますが、ハワイにはそのような強力な毒を持ったクラゲは見られず、今のところ死亡例も報告されていないようです。
でも油断禁物。体質により危ない状態に陥る事もあるので様子がおかしくなったらすぐに医者に行きましょう。

【どの位の人が刺されるの?】
海の危険生物とその対処に関する専門書「All Stings Considered」によれば、1994年にハナウマベイでクラゲに刺された人は198名(ライフガードに報告があったもの)。年間100万人が訪れ、そのうち34%の人が海に入ると言われてますから計算上200人に一人という割合になります。ちなみにハナウマボーイはまだ刺された事がありません。

【刺されたらどうするの?】
まずは患部に触れずにライフガードに見せましょう。
ここ数年間ハワイで治療例の分析を行った結果、結局確立された治療方法は無く、「歯を食いしばって痛みに耐える」のが基本なのだそうです。(ホントの話)
関連記事:Honolulu Star-Bulletin 2001/4/6日号(英語)

【刺されないようにするには?】
いつもクラゲは居る訳ではありません。クラゲが発生した場合、ビーチに注意を促す看板が立ちます。そんな日は海に入らないようにしましょう。また、危険と判断された時はビーチが閉鎖される事もあります。
知らない海で泳ぐ場合は何か着て泳ぐようにしましょう。
また、最近「SafeSea」というクラゲに刺されにくくするサンオイルが販売されています。クマノミという魚がクラゲに刺されない事をヒントに作られたそうです。ハワイに出没するクラゲではまだテストされていませんが、効果があるかも。ハナウマ湾の売店でも$12位で売っています。

【どんなクラゲが刺すの?】
ハワイで有名なのは
「BOX JELLYFISH」「PORTUGUESE MAN-OF-WAR」の2種類。ライフガードによればハナウマベイでは刺される割合はほぼ半々だそうです。ワイキキでは殆どが「BOX JELLYFISH」。逆にオアフの東海岸(ワイマナロやカイルアビーチなど)ではほぼ100%「PORTUGUESE MAN-OF-WAR」だそうです。
これには理由があります。その理由は...続きをどうぞ。

BOX JELLYFISH (アンドンクラゲ)
【BOX JELLYFISH】写真(ここをクリック University of Hawaii Press)
ハワイには次の2種類がいます。
WINGED BOX JELLYFISH

(学名:Carybdea alata、Hawaii名:pololia
、傘の大きさ:7.5×5cm)
RASTON'S BOX JELLYFISH
(学名:Carybdea rastoni、Hawaii名:pololia、傘の大きさ:5×5cm)

【特徴】
BOXの名と通り、傘の形はほぼサイコロの形をしていて、四隅から30cmほど触手を伸ばします。この形が昔の照明器具の行灯(アンドン)に似ている事から日本では「アンドンクラゲ」と呼ばれています。
身体は透明で、海の中では殆んど見分ける事ができません。泳ぎが大変得意で1時間に2マイル(約3キロ)という猛スピードで移動するのだそうです。また、大変発達した目を持つ事でも知られています。

【出没場所】
ハナウマベイをはじめ、アラモアナ、ワイキキ、ポカイベイなど、オアフの西〜南海岸に出没します。
普段は光を嫌って海の深い場所を漂っているのですが、満月から8〜10日後の夜から午前中に掛けて海面近くに上がって来るという習性があります。理由はよく分かっていませんが、繁殖活動に関係があるとのではと言われています。
この日が近くなると新聞などに注意報が発表されます。

という事は...下の表にある日は注意報が出る可能性が高いです。もしかしたらハナウマベイが休園になるかも(^^ゞ
下記期間は念のために自動ガイダンス(電話:396−4229)で開園しているか聞いた上で出掛ける事をオススメします。

クラゲ要注意日  by ハナウマボーイ

2011年

1/27〜30 2/25〜28 3/27〜30 4/25〜28 5/25〜28 6/23〜25 7/22〜25
8/21〜24 9/19〜22 10/19〜22 11/18〜21 12/18〜21

2012年

1/16〜19 2/15〜18 3/15〜18 4/14〜17 5/13〜16 6/12〜15 7/11〜14
8/9〜12 9/8〜11 10/7〜10 11/6〜9 12/6〜9

2013年

1/5〜8 2/3〜6 3/5〜8 4/3〜6 5/3〜6 6/1〜4 7/1〜4
7/30〜8/2 8/28〜31 9/27〜30 10/26〜29 11/25〜28 12/24〜27

2014年

1/23〜26 2/22〜25 3/24〜27 4/21〜24 5/22〜25 6/20〜23 7/20〜23
8/18〜21 9/16〜19 10/16〜19 11/14〜17 12/14〜17

2015年

1/12〜15 2/11〜14 3/13〜16 4/12〜15 5/11〜14 6/10〜13 7/9〜12
8/8〜11 9/6〜9 10/5〜8 11/4〜7 12/3〜6

併せて808JELLYFISHのサイトも確認すると完璧です。

【クラゲ注意報が出たら】
注意報が出ても必ず出没する訳ではありません。実際に出没するとビーチに看板が出ますのでライフガードの指示に従いましょう。

【BOX JELLYFISHに刺されると...】
刺された時の反応は年齢・体格・体質・刺された場所・大きさ・刺胞に触れていた時間などにより大きな差があります。
一般的に、刺されると同時に熱い物に触れたような強い痛みを感じます。この痛みは10分〜8時間続きます。同時に触手に触れた部分が赤く線状に腫れ、これが2時間〜3日間続きます。また、刺されてから1〜4週間後にアレルギー反応の赤い斑が周囲に出る事があります。

【刺された時には】
まず何もせずにライフガードに見せましょう。対処は通常次のようになります。

まず酢を掛けます。痛みを取り除く事はできませんが刺胞の機能を封じ込め、追加の毒針発射を防ぐ効果がありま。この時決して患部を手や砂などで擦らないようにしましょう。
(オシッコは効きません。)

酢漬けになった刺胞を棒やピンセットなどで取り除きます。

悪寒・発熱・嘔吐・不整脈・呼吸困難・意識の混濁・血圧の上昇/低下など、通常とは異なる反応が出たら迷わず医者に見せます。
救急車の電話番号:911

痛みを和らげる為にまず温め、次に氷で冷します。どちらか効き目のある方を選びます。
耐えられないような痛みがある場合は医者に見せます。
PORTUGUESE MAN-OF-WAR(カツオノエボシ)

【PORTUGUESE MAN-OF-WAR】写真(ここをクリック University of Hawaii Press)
(学名:Physalia physails、Hawaii名:pa'imalau、傘の大きさ:3〜6cm)

【特徴】
餃子のような形をした浮き袋と風を受けて漂うための帆を持っているのが最大の特徴です。浮き袋の中には一酸化炭素が入っています。
浮き袋の色は透明又は青色で大変長い青色の触手を持ち、長いものでは10mにもなります。
(大西洋には浮き袋の大きさが30cm、触手の長さが30mにもなる巨大な奴もいます。)
1つの生き物に見えますが、「ポリープ」と呼ばれる複数の生き物が集まって1つの個体を形成します。

【出没場所】
普通は沖の方に浮いてますが、岸に向かう風が強く吹くと波打ち際までやって来ます。ハナウマベイをはじめ、サンディ、ワイマナロ、カイルア、ラニカイなど、主に貿易風の風上になる東海岸やノースショアに出没します。
また南や西側から “コナ・ ウインド”と呼ばれる暖かく湿った風が吹く時には島の西側に出没する事もあります。

【クラゲ注意報が出たら】
クラゲ注意報が出ても必ず出没する訳ではありません。実際に出没するとビーチに看板が出ますのでライフガードの指示に従いましょう。ダイバーは浮上の際に頭上にクラゲがいないか注意します。
ライフガードがいないビーチでは波打ち際を注意深く見るようにし、このクラゲが浜に打ち上げられている日は海に入らないようにします。

【PORTUGUES MAN-OF-WARに刺されると...】
刺された時の反応は年齢・体格・体質・刺された場所・大きさ・刺胞に触れていた時間などにより大きな差があります。
一般的に、刺されると同時に熱い物に触れたような痛みを感じます。同時に触手に触れたところが線状に僅かに赤くなる事があります。痛みと腫れは特に何もしなくても20分〜1時間で引き、アンドンクラゲよりも症状は軽いと言われています。
また、刺されてから1週間後位に痒みを伴うアレルギー反応が出て、これが1ヶ月程続くことがあります。

【刺された時には】
まず何もせずにライフガードに見せましょう。対処は通常次のようになります。

更に刺されないように注意しながら、棒やピンセットを用いて皮膚に残った刺胞を取り除きます。
(酢は禁物。刺胞の活動を活発化してしまいます。また、オシッコは効きません。)

水か塩水でよく患部を洗い流します。
痛みを和らげる為にまず温め、次に氷で冷します。どちらか効き目のある方を選びます。
耐えられないような痛みがある場合は医者に見せます。

悪寒・発熱・嘔吐・不整脈・呼吸困難・意識の混濁・血圧の上昇/低下など、通常とは異なる反応が出たら迷わず医者に見せます。
救急車の電話番号:911